About Whiting
ホワイティングファームの歴史は長くカラフルですが、それは決して独力で切り拓いてきたものではありません。当社の成功の礎となった、重要なパートナーをご紹介しましょう。
1960年代中盤から1989年まで、オレゴン州ウォレントンのヘンリー・ホフマンは世界最高のドライフライ用ハックルを生み出すことに努力を捧げてきました。彼を突き動かしたものとは、生涯を通じたフライフィッシングへの愛です。ヘンリーは、岸にひっかかった他人のフライを分解してテクニックを学び、自分のタイイングに活かすこともあったほどの熱狂的アングラーでした。
ヘンリー自身と世界にとって運の良いことに、彼の家庭は理想的なものでした。両親はカリフォルニアで小さな食肉用の養鶏業を営んでおり、ヘンリーも家禽の飼育と血統管理の基本を学んでいたのです。軍役を終えたヘンリーはオレゴンに家を構え、コマーシャルフライのタイヤーとなります。彼が主に巻いたのはドライフライでした。
1960年代、ドライフライ用の高品質ハックルはほとんど手に入らず、タイヤーが使ったのはインドや中国から輸入された、ありきたりなニワトリの羽根でした。「ケープ」というのはオンドリの頭部から首までの皮と羽根を切り出したもので、「サドル」とは背中の部分です。グリズリーと呼ばれる白黒まだらの羽根を生やすニワトリはインドや中国にはいませんので、そのハックルを指定する伝統的なフライの値段は高価でした。そこでヘンリー・ホフマンは自分用のグリズリーハックルを育て、できれば販売もしたいと考えたのです。ワシントン州やオレゴン州の農産品フェアや飼育業者をあちこち訪ねた彼は、ついに(当時としては)すばらしいケープとなかなかのサドルを持ったバード・プリマス・ロックをみつけました。3羽発見できたこれらの鶏により、開発期間を10年は短縮できたとヘンリーは述懐しています。
当時のヘンリーは職業タイヤーでもありましたから、エンドユーザーの視点を血統管理に持ち込むことができました。自分でフライを巻き、仕上がりが良い羽根を生やした鶏だけを次世代の親として使ったのです。まさにタイヤー視点で血統を練り込んだヘンリーの選択プログラムは独自のもので、その結果として生まれたホフマン・ハックルは絶賛を受け、熱烈な支持者を生み出しました。
釣りとタイイングに情熱を持ち、家業に恵まれ、すばらしいプリマス・ロックを発見し、タイヤー視点で血統を練り込んだことに加え、ヘンリー・ホフマンは3つの卓見を持っていました。まずは最初の15年間、重要なグリズリーに集中して改良を加速させたこと。次にドライフライ用のサドルハックルという未開拓の分野に注目し、タイイングの世界に革新をもたらしたこと。そして最後に、量よりも質を重視して小規模経営を貫いたことです。ホフマンファームの生産量は最大でも年間2,200枚程度、ヘンリーと妻のジョイスがほとんどの仕事をこなし、年老いた両親もときに手伝うというものでした。
1980年代が近づくと、ホフマン・グリズリーは伝説に近い存在となり、需要が高まりました。ドライフライ用サドルはすばらしい進化を遂げ、現物を見ないと信じられないほどの品質となり、1本が30センチもあるフェザーが出現するようになりました。タイイングに欠かせないホワイトとブラウンにも取り組みを開始。しかし、引退後にたっぷりと釣りを楽しみたいと考えていたヘンリーは、仕事の厳しさと集中が辛くなり始めていましたので、会社の売却を検討。興味を持った人はいたのですが、ホフマンファームが持つ遺伝子プールのポテンシャルをさらに開発するスキルを持った人や会社はなかなか出現しませんでした。家禽の遺伝育種学を熟知し、生育と処理行程を検討し、長期的視野を必要とするこの事業にプロとして人生を捧げる真剣な気持ちを持った人は、それほど存在しなかったのです。
買い手募集開始から5年が過ぎた時、ヘンリー・ホフマンはコロラド州のトム・ホワイティングとついに買収契約を締結します。遺伝育種学を専攻し、コロラド州立大で学士号、ジョージア大学で修士号を取ったトムが、アーカンソー大学で博士号過程を終了しようという時でした。当時の彼は、一週間に300万個の鶏卵を生産するコロラド州の養鶏業者において管理を担当した経験もありましたので、仕事としての大規模養鶏で経験を積んでいました。ヘンリー・ホフマンは、自分のやり方を指導するために5年間のコンサルタント契約も締結。この新しいビジネスの拠点として選ばれたのはコロラド西部でした。オレゴンのヘンリー・ホフマンが送った卵がコロラドの新施設で孵化したのは、1989年4月のこと。その年に育成したのは約5,000羽でしたが、2015に出荷されたのは60,000羽以上。ホワイティングファームは、世界市場を席巻する最大のフェザー・プロデューサーへと成長したのです。
1990年代、世界のフライタイヤーにさまざまな羽根を供給したいと考えるホワイティング博士は、新しい血統の導入と開発に取りかかります。
1995年には、テッド・ヒーバートからジェネティック・ドライフライ・ハックル用血統を買収。その結果として誕生したヒーバート/マイナー・ハックルのケープは、世界で他に類を見ない多様なナチュラルカラー各種を特徴としています。
その他のタイイング用フェザーも、導入ないし自社開発が進みました。導入のなかでもっとも重要なのは、1990年代中盤に行われた、世界最古のタイイング用鶏であるスペインのコック・デ・レオンでしょう。ホワイティングファーム社内で開発が行われた製品ラインとしては、ウエットフライ用のアメリカンハックル(1992年開始)、スペイハックル(1997年開始)、パートリッジの代用であるブラーマ(1996年開始)などがあり、大型のギニアファウルも導入されました。品質、バリュー、製品の多様性そして定評の面で、ホワイティングファームは巨大なサプライヤーに成長しました。お客さまは全米と世界各地36カ国にわたり存在します。
ホワイティングファームは、西部コロラドに鶏舎を2箇所、処理・発送と事務作業を行う拠点を1箇所構えています。世界のフライタイヤーにさらなる高品質、高バリュー、多様な選択肢を提供するべく、遺伝形質の練り込みは継続。1999/2000年シーズンにはゴールド、シルバー、ブロンズのメダル式品質基準を採用しました。これは、皆様にホワイティングファームの先進性を提供し、製品に適用される厳格な品質基準をわかりやすく提示するためです。ホワイティングのブロンズ製品は、しばしばライバル社のトップグレードを上回るほどの質を持っています。シルバー、ゴールド、プラチナとなると、他に類例は存在しません。今日も、品質改良作業は休むことなく続けられています。
世界に1ダースほど残ったジェネティックハックルの業者の中で、2社を除けばすべて米国に拠点があり、その中でも屹立するホワイティングファームは、全世界に向けて製品を販売しています。最大の海外市場は日本で、続きカナダ、欧州諸国、オーストラリアやニュージーランドが続きます。またシンガポール、スリランカ、タイ、フィリピン、中国、ケニア、南アフリカ、ブータン、ブラジルにあるコマーシャルフライの会社にも卸しており、アルゼンチン、チリ、南アフリカ、韓国、旧ソ連から分離した各国でも消費者市場は拡大中です。
1990年台後半、グルメミートとギニアファウル関連に加え、卵殻がブルー、グリーン、ブラウンそしてホワイトの「コマーシャル」チキン・ライン開発が始まりました。これらのラインアップは、製品の質、鳥の美しさ、バックヤードのサステイナビリティなどに配慮したもので、小規模業者向きの生産性が高い選択肢となることを目指しています。
ホワイティングファームは、フライタイイング界への貢献により、栄誉ある賞を数々授与されています。とくに誇りに思うのは、『フライタイヤーズ』誌から2011年に与えられたもので、マテリアル分野において特別功労賞を授与された初の会社となりました。以下、許可を得て引用しましょう。 「……私たちと話すとき、トム・ホワイティングはつねに先輩たちに深い敬意を払う。しかし、彼がいま生み出しているハックルは史上最高の品質であることは間違いない。他社のハックルは、ホワイティングの基準で測られるのだ」。 ホワイティングファームはまた、きわめて特別な賞を授与する会社でもあります。それは当社にとって大事な助力や教示を行ってくれた方々を顕彰するもので、「プラチナ・フェザー・アワード」と呼ばれます。そのような先達なしで、ホワイティングファームは成立しませんでした。

ホワイティングファームは、大きな変化を起こしています。孵化場も最新の施設に移転しました。新しい孵化場は、使用されている技術、場内設計、換気施設、エネルギー回収システムなどの各面で、まさに現代の最新鋭です。4台ある機械は最新「シングルステージ」技術を適用するもので、中に入れる卵は発達ステージが同じものだけを選定しますので、同じ環境パラメーターを適用すれば21日後にいっせいに孵化します。3台の孵化器と1台の「ハッチャー」(つまり最終的にヒヨコが出てくる機械)の容量は、それぞれ18,700個です。この建物は、2015年後半に実施予定となっている、生産量倍増のための機械増設を見込んで設計されています。
さらに、鶏舎も一新されて7棟が稼働しています。これらも現代の最新施設であり、鶏への配慮も十分です。コスト削減につながっている新機軸としては、大型ソーラーフィールドの設置があり、鶏舎数棟ぶんの電力がそれによって賄われています。ホワイティングファームは、グリーンな会社であることに誇りを持っており、太陽光の活用はその一面です。
ホワイティングファームは、2015年に創業25周年を迎えました。トム・ホワイティングがホフマンファームから卵を譲り受けた時から現在までの間に、大きな発展が実現しました。その節目に、ホワイティング博士はこう述べています。「……当社の羽根を買っていただけるフライタイヤーの方々なしで、ホワイティングファームがこのような歴史を歩むことなどできませんでした。皆様のご愛顧、助言、そしてご支援に感謝します。それにしても、25年とはとても早いものです。」
創立時に定めたホワイティングファームの社是はこうです。「世界に向けて最高品質のタイイング用フェザーを生産するトップ会社となる」。現在も、私たちはこのミッションに基づいて業務を展開しています。

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