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釣り人徒然草

テイネイ・フライキャスティング ---- Vol. 3

2026.02.08

東 知憲

ライトラインのセットアップは慎重に

良い形のループをていねいに投げたい、良さを崩す要素はできるだけ取り除きたい。ドライフライで釣る場合、フライラインとリーダーの滑らかな重量配分が肝心です。今回は、そのスムーズさに大影響を与える可能性が高い、ラインとリーダーの接続部を取り上げます。

とりあえず5番と6番をミドルウエイトのラインと位置づけ、それより下をライトライン、7番以上をヘビーラインと考えてみましょう。そして、渓流や鱒釣りでよく使うライトラインは、不用意なリーダーの組み方をしてしまうと本来の性能をフル活用できません。

その原因は、フライラインの軽さなんです。AFFTA(旧AFTMA)規格からいくと、#3 ラインの先端9メートルは100グレイン(つまり6.5グラムほど)。渓流で9メートルのライン本体を出すのはわりと大遠投で、リーダーとティペットを除けばその半分、つまり先端4.5 メートルくらいが常用する長さでしょう。先にはテーパーがついて細くなっているので、その部分の実重量はわずか3グラムほど。そのような繊細なラインの先(=リーダーとの接続部)に重い部分ができてしまうと、それに引っ張られてループは影響を受け、ギクシャクしてしまいます。重量化の原因はいくつかありますが、知識さえあれば簡単に避けることができます。まず、ライトラインに関しては樹脂製の「リーダーリンク」の類を使わないでください。両端の固結びを入れた樹脂の塊は、かなり重く、バシャンと水面を叩きがちです。ラインのコブをストッパーにするという疑わしい接続法ですから、ミドルウエイトやヘビーウエイトのラインではただちに強度が問題になってきます。

ブレイデッドのループをライン先端につけることもできますが、フライラインよりも軟らかいため、エネルギーがそこでかなり消散してしまう印象があります。逆にアクアシールやスーパーXなどの接着剤で固めた場合は重くなりすぎて、これもダメ。フライラインの先端によく設置されている「溶着ループ」も、かなり重くてライトラインには不向き、かろうじて4番からだと思います。3番以下のラインの場合、溶着ループは切ってしまいましょう(せっかく付けてあるものを…という気持ちはわかりますし私も毎回、心の片隅でそう思います)。しかしながら溶着ループは「これがあれば楽な人もいるでしょう?」というメーカー側からのオプションサービス。切ってしまっても、本来の性能には一切影響がありません。



最初はなかなか切り落とすのに抵抗がありますが、3番以下のライトラインに作ってある溶着ループはまず使わない方向で…

ではなにが良いのかというと、ライトラインに関して私はスプライス+1回転という一択です。細いミシン針(たとえば薄手の生地用とされる9号)をフライラインの先端から刺し通し、4ミリから5ミリ程度の位置で先端を出してからリーダーの先端を引き入れます。引き入れる部分が徐々に太くなってきたら、水ないし唾液で濡らして摩擦熱が出ないようにしましょう。固定するノットは、ライトラインの場合、1巻きでじゅうぶんです。ノット部と、ラインの先端部(リーダーバットが出てくる場所)には瞬間接着剤をかならずたっぷりと滴下し、硬化を待ってギリギリでカット。軽量さと手早さ、失敗のなさ、ひっかかりのなさを兼ね備えています。とくに、エアフロをはじめとするポリウレタン製のラインでは、先端の境目にもしっかりと瞬間接着剤を染み込ませるのが良いです。ディスカウントストアのものではなく、高性能の製品を使ってください。


突き刺して、アイ部分をコーティングから出した段階。4ミリほどラインに入っているでしょうか


リーダーのバットまで引き込んでくると抵抗が強くなるので、湿らせてやることが大事です


フライラインにからめて締めれば、1ターンのスプライスノットが完成。ちょっとの練習で、ほぼ失敗がなくなるほど簡単。リーダーとラインに大きな角度がつくほど締め込まないでおくのがコツです。このあと瞬間接着剤を滴下

「こんなの弱いでしょう?」とよく聞かれます。確かに100%の強度が出る結び方とはとても言えません。しかし、そもそも6Xリーダーとは、ティペットの強さが2キログラムもないシステムですから、それを大幅に上回る必要など、ないのです。もしリーダーの太いところを遠くの木の枝に絡めた場合、回収のためには強度が必要になりますが、どっちにせよリーダーは全交換になるでしょうから…。私が何度か実測したところ、このリーダーバットの結節強度は平均1.7キログラム程度と出ました。トラウトハンターのナイロンティペット、6Xの結節強度は1.4キログラムですから、システムとして問題ありません。手でぐいっと引っ張ればもちろん切れてしまいますが、絶対的な強度よりもひっかかりのなさ、理想的な重量配分、結節の手早さ、失敗のなさのほうがずっとずっと貴重です。


フライラインの弾力性を活かしてリーダーを留めるネイルノットも悪くはない結び方ですが、巻き付ける数が多くて失敗の可能性が高く、時間がかかり、偏芯しているのでガイドに激しくひっかかるのが難点


ティペットの強度が上がってくる、4番から上のミッドウエイト・ラインは、スプライスした後のノットの巻き付け数を増やします(この場合も、リーダー出口の瞬間接着剤は欠かせません)。かさばるループが2つ連続し、ガイドにひっかかりやすい難点はありますが、リーダーの交換がとても簡単な溶着ループも、もちろん活用できるでしょう。ヘビーウエイトのラインは、溶着ループを信頼するか、強度が高い接続法(オルブライトノットなど)を施すということになると思います。

テクニック面を細かく検討する前段階として、ご自分の接続を確かめてみませんか? ミシン針はいくらもしませんから、まとめてたくさん買って、多用するフライボックスに入れておくことを推奨します。


フォーム製のボックスなら、ミシン針をこのように刺して保管できます

東 知憲

翻訳者 & キャスティング・インストラクター(神奈川県在住)

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