斑点曼荼羅倶楽部 Presents — Quill Wing de Leon vol. 4

2020.05.13

コック・デ・レオンのルースター・クイルを活用する 基礎編 (2)

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私家版シルバーマーチブラウン・フルチューニング仕様、ウイングにこだわるの巻 

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まずは参考資料のご紹介

 

 野暮丸出しですけれど……ここでいよいよクイルウイングを巻き止める作業。それであの……なんだか安易な宣伝みたいで、すごく野暮でカッコ悪いのですが、赤面しきりで開き直って言います……クイルウイングの巻き止め方は、コレ見て参考にしていただけますと、もう微に入り細に入り、これでもかってくらい、上から横から下から左右のアングルから、おまけにクイルを挟んでスレッドを巻く指のなかまで、こってり解説させていただいております。やはり、クイルウイング巻き止めのノウハウやコツは、感覚に頼る部分が多いだけに、言葉よりも映像のほうがはるかに伝わります。ここでは、このDVDでは取り上げなかったウイング以外のコツや、この撮影当時にはまだ思い付いていなかった、そのほかの最新情報をご紹介させてくださいネ。

 

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ウイングを巻き留めたあとの処理

 

 さて、ここからが今回の見どころ。クイルウイングを留め、余りをカットしてヘッドを巻く作業。ウェットフライを巻きはじめると、誰もがかならず痛感する「ウエットフライあるある経験」。巻きはじめた当初、いちばんの壁のようにおもわれたクイルウイングの巻き留め作業は、挑戦してみれば思いのほか簡単にクリア。ウイングを見映え良くキレイに付けられてヤレ嬉しやと、クイルの余りのファイバーを切り、ヘッドを巻いて完成させてみようとすると……余分をカットした瞬間、ウイングがグシャッとひしゃげる。

 ウイングを巻き止め、ヘッドを作ろうとスレッドを巻いたら、ウイングがどんどん潰れていく。カッコ良く小さくまとめたいのに、ウイングをしっかり立てようとすると、どうしても不細工なでっかいヘッドになってしまう。そんなこんなの難関をどうにか乗り越えて、ようやくヘッドセメントを塗布しようとしたら、さっきまで真っ直ぐ付いていたウイングが、知らないうちに左右どちらかに曲がっている……などなど。とにかく、それまでの作業を台無しにしてしまうトラブルの宝庫、魔の作業工程。コレなんとかしようじゃないですか。しかも簡単確実に。

 

 ウイングをしっかり巻き止めたら、クイルのファイバーの余りをすぐカットしないで、この余りの根元付近の両側に、ボドキンで瞬間接着剤をすこしだけ塗布。すると、瞬間接着剤がウイングの余りのファイバー内部に浸透して、ちょうどウイングを巻き止めたスレッドの下部分までを硬化させることができる。ここで大切な注意。ウイングに塗布するのでは断じてなく、余りのほうにほんの少量だけ染み込ませること。ウイングに瞬間接着剤が染み込むと、フライが水中で回転してしまうだけでなく、すぐにファイバーが割れてしまい、復旧させることができなくなります。

 

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フライを上から見てみる

 

 瞬間接着剤が完全に硬化するまでのあいだ、かならずフライを上から見ておくのも大切。このように、ウイングがフックシャンクの真上にまっすぐ巻き止められていることが理想でもあり基本中の基本。ビシッとまっすぐ巻き止めたウイングの舵取りバランス効果で、水中で不自然な揺れや回転を起こすことなく、揺るがない姿勢を保ちながら自然にスムーズに流れるウエットフライ。これこそ、スイング中のドラッグがかかった状態でも良好なフッキングをもたらせてくれるおおきな要因ではなかろうか。また、レオンのサドルハックルで巻いたスロートハックルのファイバーがフライの左右両側にもひろがって、フックの下側半分を扇状に覆うように巻き止められているところにも、ぜひ注目を。

 正しい位置に正確に巻き止めたクイルウイングのウエットフライに、このような体裁でハックリングしたロングファイバーなレオンのハックル。この組み合わせのフライが、ひとたび水流のなかでスイングすると……そんなスロートハックルのファイバーのうごきというか揺れというか震え方、もうたまらんデ……。流れのなかでフライ本体はビターッと不動のバランス姿勢でスイング、その両側でマダラ模様のサドルハックルのファイバーが水流の緩急に敏感に反応しながら常にブルブルユラユラと揺れ震えている。ゾクゾクッとくるほど魅惑的なうごき。なんていうかもう、マスに喰われるために存在しているような生き物に変身しておりますゾ。

 

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ウイングの余りをカットする

 

 コック・デ・レオンのサドルハックルの振動の誘惑によろめくあまり、話がだいぶ逸れてしまったが、ヘッド処理の工程に軌道修正。瞬間接着剤をクイルの余りの根元部分に塗布し、硬化がすすんだ時点で、写真のようにカミソリをダウンアイのフックアイにあてがう。そして、その角度のまま上方向に切るというよりも、カミソリを左右どちらかに滑らせるようにスーッとうごかす。すると、いとも簡単に余りのファイバーを根元ギリギリからバッサリ切り落とすことができる。この方法だと、カットの振動や余計なうごきで意図せずウイングがズレたりすることもまったくない。ウイングもろとも切ってしまいそうで、心情的にウイングの方向からフライ前方に向けての逆方向からカットしたくなるけれど、慣れてしまえばダウンアイのフックだとコチラのほうが失敗がなく、かつ簡単。

 

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カットし終わった状態

 

 余りのファイバーの半端な切り残しや微細な突起などいっさいない、スムーズな切り口。しかも肝心なのは、カットした余りのクイルに瞬間接着剤を染み込ませていることで、スレッドの表面とスレッドで巻き止めた部分のクイルにも余りのファイバーを伝って適量の瞬間接着剤が浸透して硬化している。それでいてウイングへの悪影響はまったくない。これくらい小さくまとめた極小のヘッドにも関わらず、ウイングが抜けたり曲がったりすることもなく、耐久性も申し分ない。

 ウエットフライを極小のヘッドに仕上げると、そのぶん抵抗が軽減されてフライの着水と同時に速やかに水面下にフライを沈めるために有利、という機能面もあるけれど、なによりも美しくカッコ良い。

 

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そして完成

 

 白のスレッドを黒い油性マーカーで着色してヘッドを巻き、その後ヘッドセメントを塗布して完成。

 

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オマケ版その1 ヴァリエイション

 

 極細シルバー・オーバルティンセルとミラージュ・フラッシャブーとともに、赤いフラッシャブーも捩じり込んでボディを巻いた、ギラリと輝くブラッディ・ヴァージョン。血塗られたマーチブラウン。

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オマケ版その2 リビング応用編

 

 トラディショナルなスタンダード・パターンのリビングに、この「捩じりティンセル・ボディ」を転用するのもたいへんおススメ。意外にも、どのようなティンセル・ボディのスタンダード・パターンにつかっても古典的なフライのイメージを損なうことなく、ほんのりモダンな雰囲気を醸し出しつつ、なかなかイイ感じに巻けますよ。アレコレお試しあれ。

 

 

 

備前 貢

B’s Fly Works

斑点曼荼羅倶楽部 Presents — Quill Wing de Leon vol. 3

2020.05.10

コック・デ・レオンのルースター・クイルを活用する 基礎編 (1)

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私家版シルバーマーチブラウン・フルチューニング仕様、スロートハックルにこだわるの巻 

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追憶のシルバーマーチブラウン

 

 思い起こせば、あれよというまに17年まえ。はじめてのホワイティング・ファーム訪問のときの思い出のひとコマ。サドルハックルやネックハックルなどの商品のためにスキニングされたあと、そのほかの使われない部位は破棄されて焼却処理されるまえの、バラバラになったコック・デ・レオンのご遺体安置所にて合掌したときのこと。血まみれのまま、山のように積みあげられた何百もの切り刻まれたレオンのご遺体。異臭が漂い、まるで生ゴミのようだ。その光景を見て、この道楽の罪深さの無常と懺悔の念ひとしお。一方で、込みあげる感謝の念。そこでふと、あるものが目にとまり、無言でしゃがみこんでしまったワタシ。「ビゼンさん、どしたの?」怪訝な顔つきで訝しむ、同行者およびスタッフの面々。

 ここはあえて不遜な表現を許してください。無造作に積みあげられた生ゴミのなかから、切り捨てられたヘン・レオンの両翼をムンズと掴みあげて、お宝を発見した海賊のごとく、それを捧げ持って頭上高々と掲げるや、いきなり声高々に、「これ、欲しい!これ、ください!」「な、な、な、なんで?」あのときの、皆さんのドン引きした表情が忘れられない。

 そうしていただいたレオンの翼を自宅に大切に持ち帰り、時差ぼけクラクラの帰宅早々、逸る気持ちを抑えられず、翼からセカンダリー・クイルを取り出した。その夜、フライフィッシング数百年の歴史のなかで、これまでまだ誰も試したことがなかったであろうコック・デ・レオンのセカンダリー・クイルを、はじめてクイルウイングとして巻いてみたときの感動と興奮が忘れられない。

 コック・デ・レオンならではのグッと胸に響く、美しく鮮明なゴマダラ模様がウエットフライのクイルウイングとして活き活きと立ちあがったあの瞬間。ご遺体安置所で「これはひょっとしたらひょっとして……」ピピーンとタイイング心に響いてきた淡い予感が、確信に満ち満ちてかわった瞬間だった……これはまちがいなく、スタンダード・ウエットフライにつかわれている伝統のクイル素材群に匹敵する、最高のクイルウイング素材になる! 奥底から心の琴線が震えました、あの日あの夜のフライタイイング。そのときに巻いた処女作が、伝統の銘鉤シルバー・マーチブラウンのウイングにレオンのクイルをつかったウエットフライだったのです。

 

 今もなお、レオンのウイングを巻き止めたシルバー・マーチブラウン風を愛用しているワタシ。いわば、コック・デ・レオンのクイル素材とワタシの長い付き合いは、常にこのフライと共にあったと言っても過言ではありません。

 本州で暮らしていた当時は、もっぱら里川や本流のアマゴやヤマメやイワナを狙って試行錯誤を繰り返す日々。そして13年まえに北海道に移住してからは、野性のニジマス、アメマスやオショロコマなどなどを相手に実践と改良を重ねてきた、レオンのクイル・ウイングをつかうシルバー・マーチブラウン。当初は従来のシルバー・マーチブラウンにつかわれていたヘンフェザントのウイングを、ただレオンのクイルに変更しただけだったアレンジ版は、すこしづつ変化しながら「私家版シルバー・マーチブラウン」へと進化していきました。「コレ釣れるよ!」とビックリマーク付きで自信をもってお勧めできるウェットフライのひとつ。現在のカタチはコレです。

 

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テイルとスロートハックル

につかうのは、なんといってもコレ。レオンのサドルハックル各色。

 

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ボディ材

 ボディ用につかうのは、極細のシルバー・オーバルティンセルとオパール・カラーのミラージュ的フラッシャブー。これをそれぞれ二つ折りにしてボディ末端に巻き止める。ちなみに、つかっているスレッドはベネッキ・ウルトラストロングスレッド12/0の白。フックはTMC9300 の8番。

 

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ボディを巻く

 で、このボディ材をダビングツイスターもしくはハックル・プライヤーに摘まんで、捩じりながらボディに巻いていく。このとき、ボディ末端の巻きはじめ1~2回転は撚りをかけず、ティンセルとフラッシャブーをそのまま同時に巻いて、そこから捩じって巻いていくとボディ末端に軽くテーパーがかかってスムーズでキレイなボディになる。

 

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ボディを巻き止める

 捩じって巻いた素材の撚りをここでほどいてフラットにして巻き止めてカット。その際、素材の余りを根元ギリギリにカットしてしまうのではなく、ほんの少しだけ残してカットする。その後、その余りの部分を爪先でボディに押しつけるようにして圧縮する。

 

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ボディ完成

 するとアラおもしろい。巻き止めたスレッド跡がまったく見えないスッキリしたボディが出来あがる。このようにティンセルとフラッシャブーを捩じって同時に巻くことで、ボディ全体が微細にデコボコしたボディになる。陽の光を受けると、複雑かつ微妙に乱反射して、ときにはまるでマダラ模様の暗色の羽根が後光に包まれているようにも見える(この見え方が最大のミソ)いかにもな生命感を感じさせる。まるで羽化途上のカディス・ピューパやガガンボ、あるいはヒラタカゲロウなどのイマージャーが外殻と中身のあいだにまとう空気膜による反射、いわゆるイマージングガスを誇張表現したような印象。耐久性も申し分ない。従来のシルバー・マーチブラウンのように、使用中にリビングがズレたり、ほどけたりしてフライが壊れることがない。

 

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スロートハックルを巻き止める

 ダブリングしたレオンのサドルハックルを、フックシャンクに巻き止める。巻き止めた位置にご注目を……ココすごく大事。ボディ材を巻き止めたところではなく、フックのアイの直後に巻き止めている。あとでスレッドでハックルを巻き込んで、スロートハックルの位置と角度を調整するためと、ウイングを巻き止めやすくするための細工。

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スロートハックルを巻き止める(その2)

 この位置にスロートハックルを巻き止めたら、余りのほうを折り返してスレッドで3回転ほどしっかり巻いておく。こうして止めると、ハックリングする際に抜けることがない。ソフトハックル・パターンなど特に有効なテク。また、もちろんパートリッジなどのパラッと巻くハックル素材全般に最適。

 

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ハックリング

巻き止めた位置でレオンのサドルを2~3回転ハックリング。

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スロートハックル処理

 従来通りの方法のように、フックシャンク上側のハックルを後方に押し下げるようにスロートハックル化させるのではなく、シャンク上側のハックルはカットするか指先でむしってしまう。これもすごいコツ。上方向に突き出ているハックルをスレッドで巻き込んで下側に押し下げると、量が多くなり過ぎるだけでなく、左右の形状バランスが不自然になり、フライ自体のバランスも崩れやすくなる傾向にある。なので、フックシャンク下半分のハックルだけにしておいて、そのままスレッドで2~3回転ほど後方に巻き込みながら、スレッドの位置をハックリングしたストークの後ろ側に移動させつつ、スロートハックルを安定させる。この、ストーク後方とボディを巻き止めた位置の中間のところの溝というか凹みがウイングを立てるためのスイートスポットになる。

 

 また、コック・デ・レオンのサドルは、ストークからファイバーの生えている生え際のところが最もハリが弱く、水流の抵抗に負けやすい。なので、この数ミリにも満たないファイバーの根元部分をスレッドでしっかり巻き込んでおくだけで、ハックルに適度なハリとコシがつく。なので、こうしておくと流れの抵抗を受けてのハックルの振動や耐久性がまったく変わってくる。(どんどん続きます)

 

 

備前 貢

B’s Fly Works

スコットのフレックス・レーティング

2020.04.29

もはや伝説ともなっている手法。初期のスコットが行っていたじつにユニークな、手間の掛かる品質管理法が「フレックス・レーティング」でした。製造したブランクに所定の負荷を掛けて曲げ、その数値を記録しておく作業です。昔のグラファイト・プリプレグは厚く、素材の各部でムラがありましたから、ブランクごとに硬さのばらつきが生まれました。それをなんとか克服し、出荷するロッドにすべて「スコット・フィーリング」を持たせるために創業者ハリー・ウィルソンとラリー・ケニーが考案した方法です。

 

HW LK

 

硬く仕上がったティップに柔らかく仕上がったバットを組み合わせると、自分たちが目指したアクションとはまったく違ったロッドが生まれてしまいます。基準よりも柔らかいティップに、硬いバットを組み合わせても同じです。つまり、スコット・フィーリングを維持するためには、柔らかいティップには柔らかいバット、硬いティップには硬いバットを組み合わせる必要があったのです。当然、同一モデル内で「硬めのロッド」「柔らかめのロッド」を生み出すことになってしまいますが、ほぼカスタムショップであった初期のスコットでは、むしろそれが有利に働きました。お客様の用途と好みに合わせて、ロッドの細かな選択肢を提供できたのです。

 

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もしお手元に、サンフランシスコ時代ないしバークレー時代の2ピースロッドがあれば、手書き文字を見てみてください。たとえばサンフランシスコ時代のこのロッドには#G959-11-4240と記されています。最初のG959 は、Gシリーズの9フィート半、9番指定のロッドを意味します。おそらくカリフォルニアのスティールヘッド用として作られたものですね。次の「11」こそ、フレックス・レーティングの数字。1ケタ目はオモリを付けた状態のティップが「1単位」ぶん、2ケタめは継いだ状態のロッドが「1単位」ぶん曲がったことを意味しています。仮にこれが「12」であれば、継いだ状態のロッドが「2単位」ぶん曲がったことになります。(この数字は、スコットが独自に開発して使っていたディフレクション・チャート上のもので、センチやインチ表記ではないことにご注意ください)。ちなみに、いちばん最後の4240は通しのシリアルです。

 

Tubes

 

ではなぜ、いまスコットはフレックス・レーティングとマッチング作業を止めてしまったのか? 答えは簡単、その必要がなくなったからです。時代が進むに連れて素材は薄くなり、ファイバーの均一性も増しましたので、ブランクのばらつきは最小化しました。1本1本硬さをチェックし、理想の組み合わせを求める労力と時間は、デザイン作業に回すことができますので、結果としてさらに高品質の、個体差のないロッドが生まれているのです。ロッドを曲げてチェックするのは、デザイン通りにブランクが上がっているかどうかの確認作業です。ちなみにシリアルナンバーは、現在も創業以来の通し番号として継続されています。

 

Flexing

 

社長ジミー・バーチが語る現在の方向性と最新モデルに関する情報は、現在発売中の『フライフィッシャー』誌に掲載されていますので、ぜひご一読ください。ハリーとラリーが目指した「釣り場で最高の性能を発揮する道具を作り出す」というこだわりは、いまも引き継がれていることをご理解いただけるでしょう。

B’s Fly Works Presents — Quill Wing de Leon vol. 2

2020.04.27

コック・デ・レオンの逆襲 基礎編  

 

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コンプリート・ウイングからクイルをバラして炙って直して巻いてウットリの巻

 

 

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 コック・デ・レオンのルースター・コンプリートウイング。色の濃淡やマダラ模様に多くの種類があるレオンのルースター・ウイングとしては典型的な色柄のタイプ。ここで単純かつ素朴な疑問…そもそも、このコンプリートウイングから一体どうやってクイルウイングを取り出せばよいのでしょうか…?。聞けば、ここでかなり多くの方々が(ちょっとおっかなビックリ)尻込みしておられるご様子。

 

 ウイングにズラッと並んだ一本のクイルの先端をつまんで引っ張ってみてもビクともしない。さりとて、ハサミで根元からカットしようとすると、とても硬くて切りにい。強引に切ろうとすると、同時にほかの羽根まで切ってしまうトラブルも多発。そして、この方法だと最初の1~2本はよくても、切り進めているうちにどの箇所を切ったのかわからなくなってしまい、いつしか左右両側のペアが揃わなくなることがよくあるという致命的な欠点がある。ハテ、どうしたものか……。 

 

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ベキッと折って取り出す。

 

 そのお悩み、びっくりするほど簡単に解決できます。クイルの生えている方向にひっぱっても、硬い皮に守られたクイルはビクともしません。なので、どうするのかというと、取り出したいクイルの上側に生えているクイルの根元をまず最初にしっかり摘まんで、それを一気にベキッと反対側に折ります。このばあい、折るというよりも「クイル同士の関節部分を外す」といった表現のほうが適切かも……。そのあと、取り出したいクイルを同じようにベキッと折ります。そしてクイルを皮から剥がすようにひっぱるとアラ簡単。写真のように、ストーク根元からキレイにクイルを取り出すことができます。しかも、こうやってクイルを折って取り出すと、外した部分が明確なので、左右両側のクイルのどの部分を外したか、あとになってもすぐにわかるという寸法。

 

 この方法だと、ネックハックルのケープやサドルのスキンから、ハックルをプチッと抜くのと大差ない気分でクイルを取り出すことができます。ちなみに、こうやってクイルを取り出すと、その根元に生えていた未成熟なごくちいさなクイルもろともスキンから剥がれることになります。このミニチュア・クイル素材、じつは素晴らしいハックル素材になります。コレ、当コーナーのレオン・シリーズ・マニアック応用編にて改めてご紹介します。

 

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クイルの割れや曲がりを直したい。

 

 さて、コンプリート・ウイングからクイルを取り出してはみたもののアレ残念。クイルのファイバーが割れていたりねじ曲がっていたりしているものがあったりします。写真はその典型的な例。下側のクイルはキレイに整っているのに、上側のクイルはファイバーが見るも無残にバッラバラ。生前のレオンが飼育ケージのなかでバサバサ暴れるたびに左側の壁に翼をぶつけていたために、このような有様になってしまったものとおもわれます。このコンプリートウイングは、全体的にファイバーの割れと損傷があまりに酷く、とても販売用にはできないと破棄されようとしていたもの。しかし色調や模様はすばらしく見事なので、捨ててしまうにはあまりに忍びない。というわけで、この記事のためにちょいと拝借してきたものがコチラです。このヒジョーに残念なクイルをつかって、クイルのファイバーを修正してみたいとおもいます。

 

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 ワタシが実践しているお手軽洗浄方法、まずはぬるま湯でクイルをザッと濡らしたのち、ご家庭のキッチンにはかならずあるママレモン的な中性洗剤(食器洗い洗剤なら大抵どれもおなじような気がする)をクイル表面にひと垂らし。そして、クイルの根元から先端部分にむかってスーッと3回ほど撫でるようにして洗ったら、再度ぬるま湯で洗剤を洗い流しておく。そのあとキッチンペーパーかなにかにクイルをギュッと挟んで水気をとり、そのまま乾燥。

 

 写真は洗った直後。この時点では、なんだか悲しくなるほどファイバーがバラバラでみすぼらしいお姿……失敗したのだろうか?なんて最初は不安になりますが、ここはグッとこらえて、このまま小一時間ほど室温にて乾燥。

 

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 そのまましばらく放置したクイルのファイバーを、乾いてきたかどうか確かめるために、指先でやさしく撫でてみましょう。すると……アレ? なんかファイバーが……フフフフフ、もうこの時点で乱れまくっていたファイバーが活き活きと整列して息を吹き返しているような予感が……。ワクワクしながら最後にダメ押し。沸騰したヤカンから出る蒸気をクイルの裏表に浴びせましょう。軽いファイバーの割れであれば、この時点で完全に修正できます。

 

 このクイルのような慢性的で頑固なファイバーの割れのばあいは、蒸気の水分でしっとりするまで蒸気に当てます。しっとり濡れたクイルをまたも乾かして、それが完全に乾いた時点で……

 

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寝ぐせ直しは意外と簡単。

 

 指先でやさしくクイルのファイバーを撫でつけてやると、うわ~なんだか手品みた~い。完全復活でございます。しかも、洗剤で洗って細かい汚れも落としたので、クイルの艶々感もグッとアップして発色も模様もより鮮明になりました。

 

 さて、ここでワンポイント・アドバイス。ファイバーの割れや捩じれは、クイルが壊れているというよりも「寝ぐせ」のようなものとかんがえましょう。寝ぐせにも頑固なものと軽いものがあるように、頑固なものはこのように洗剤で洗ってクセを直してやる必要がありますが、軽いものならば蒸気を当てるだけで充分。もし万がイチ蒸気を当ててもどうしてもファイバーの割れが修正できないものがあれば、このように洗浄したのち乾燥して、それからさらに蒸気を当てる、という方法を最終手段として試してみてください。ちなみにこの作業はもちろん、レオンにかぎったことではなく、ほかのクイル素材全般にも役立つ方法です。

 

 あと、これは私見でもありますが、こうした一連のクイル洗浄やファイバーの修正は、一見なんだかとても面倒な作業のようにもおもえます。が、じぶんの経験からも、また過去に多くの方々に伝授した経験からも、タイイング好きの方ならかならずハマること請け合いです。ごく簡単な作業で、手持ちのクイルのファイバーが修正できるだけではなく、あれよという間により美しく、より艶っぽくなっていく様子を体感するのは、じつにじつにカイカン。気がつくと、この作業自体がタイイング同様に愉しくなっちゃう。本末転倒? かつて、ワタシもそうであったように、その必要もないのに手持ちのクイル素材アレコレを片っ端から洗ったり蒸気を当てたりしてしまうマニアさん、たくさんいらっしゃいますワハハ。

 

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いよいよタイイング。

 

 洗浄と蒸気をかさねて、美しく生まれ変わらせてあげたことで、なんだか「情」のような感情が芽生えてもいるクイルをつかって、最初に巻いてみたのは私家版シルバー・マーチブラウン。我が必殺のウエットフライな一本。このフライの効能書きについては昨年5月3日付けの当コーナー「コック・デ・レオン四方山話」にて掲載済み。ワタシにとって、レオンのクイルをつかったウエットフライとして初期のころから愛用している実績度数ぶっちぎり高めな定番中の定番です。

 そんなわけで、次回はこのフライのタイイングをご紹介しながら、レオンのクイルの魅力と旨味を活かしたフライたちについて、どんどん応用の枝葉をひろげていきたいと目論んでおります。

 

備前 貢

B’s Fly Works

Trout Hunter EVO ナイロン ティペット新発売!!

2020.04.23

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トラウトハンターより、ナイロン製ティペット・マテリアル、「EVO ナイロン ティペット」が新発売。

新技術による表面処理で、従来品に比べて、あらゆる性能が向上。オールパーパスに使える、高性能ナイロン・ティペットの進化バージョンです。

 

小売価格は¥1,400。0Xから8X、および4.5X、5.5X、6.5Xがラインナップ。

この商品の詳細は以下リンク先をご参照ください。

 

http://www.maverick.jp/products/evo-ナイロン・ティペット/

 

Loon Outdoors 製品取り扱い開始!!

2020.04.16

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2020年からLoon Outdoorsの製品を弊社で取り扱うことになりました。

はじめは、全ての商品を取り扱うわけではなく、弊社HPに掲載されている商品のみとなります。

 

フライ・フロータントやライン・ドレッシング剤など、環境に対してロー・インパクトに拘りながらも、高性能な製品が多くラインナップされています。

ぜひマーヴェリック・ディーラーでお求めいただき、フィールドやタイイイング・デスクの上でご使用いただければ幸いです。

 

 

 

 

SIMMS 2020 カタログ完成!!

2020.04.13

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SIMMS 2020 カタログが完成いたしました。

全国のSIMMSディーラーで手に入ります。ぜひお手にとってご覧ください。

SIMMSディーラーは下記リンク先でご確認願います。

 

http://www.maverick.jp/dealer/

 

またカタログWEB版も下記リンクからご覧になれます。

 

http://www.maverick.jp/simms/2020/

 

 

変容した世界、変わらない流れ

2020.04.03

A Trout Hunter[5]

 

 

 by レネ・ハロップ

 

魔術的な魅力を備えるヘンリーズフォークを愛する人たちは、日本にも数多くいらっしゃいますから、その方々に向けて現況報告をしてみましょう。皆様にとって安全な旅が現実化し、再び世界へと旅立つことができる日々を期待して。

 

雪はまだ融け残り、凍えそうな日もまだ時折やって来ますが、ヘンリーズフォークの春を待ちわびる長い時期はもう終わりです。それが分かるのは暦の上ではなく、川にある目覚めのしるし。新しい季節がどのようなものになるか、フライフィッシャーに予感させてくれる道標のようなものです。

日が長くなるに連れて、ローワー・ヘンリーズフォークへのアクセスが開くようになり、アングラーの数も増してきます。深く積もっていたボートローンチの雪が消え去り、また冬が来るまでの時期、休むことを知らないドリフトボートが出てゆきます。

 

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より標高の高い上流部、たとえばラストチャンス・ランなどのポイントは、あと1か月ほどはウエーディングをするアングラーしか入れないでしょう。しかし、膝上まで残る雪をものともしない人は、時としてすばらしい褒美を手にします。状況をよく知っているローカルの報告によると、気温と水温が上がる日、ミッジと春のベイティスを求め、ありとあらゆるサイズのマスが膨大な数の水紋を作っているといいます。

この地のレインボートラウトは春に産卵を行うのですが、その数が多かったことも今年のよい報せです。3月中旬に始まり、4月いっぱいまで続く命の再生儀式は、川の健康を物語り、心を高揚させてくれます。ここ数年ローワー・ヘンリーズフォークで産卵行動を見せるレインボーの数は盛り返す傾向にあります。このセクションでは、ブラウンとレインボーの数が健康的に調和していることが望ましいと、多くの人が考えています。

 

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今年の冬の大事な時期も、ヘンリーズフォークの流量は500 cfs を割り込むことはありませんでした。賢明な流量管理により、この素晴らしい川においてマスの幼魚が守られ、水生昆虫のライフサイクルにも好影響が出てくるはずです。

晩冬の豪雪と冷涼な気温によって山には雪が大量に残っているので、農場への大量の水供給が求められる夏期でも、川が干上がることはなさそうです。アイランドパーク貯水池が定期的に行う排砂作業は、下流環境に悪影響を与えますが、できればこれにも解決策を見つけたいもの。

 

A Blizzard Of Baetisのコピー

 

春のこの段階ですばらしい釣りができているので、盛期にはもっと期待が持てるでしょう。つねに聖域であったヘンリーズフォークですが、世界が傷を感じ始めている今こそ、そのパワーが実感されます。誰もが試練と苦難の中にある今、きっと普通の生活が戻ってくると信じましょう。皆さんは遠く離れた場所に住んでいらっしゃいますが、心の中を流れるヘンリーズフォークは希望を灯し、安らぎの場所となってくれることでしょう。この川が提供してくれる癒やしを、ともに味わえる日が近いことを祈ります。

 

ご健康にお過ごしください。川でお会いしたいものです。

 

AIR FLO Delta X-Purpose Shooting Head 発売!!

2020.02.28

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Delta X-Purpose Shooting Head(デルタ・エックス・パーパス・シューティングヘッド)(以下D/X ヘッドと呼称)が発売となります。Delta Shooting Head(デル・シュー)の後継として、主にスイッチロッドやダブルハンドロッド向け、止水域でのオーバーヘッドキャストを意識したシューティングヘッドです。日本特注商品です。

 

商品の詳しい情報はこちらからどうぞ

http://www.maverick.jp/products/delta-x-purpose-shooting-head/

 

 

CASTING TIP Feb 25

2020.02.27

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CASTING TIP Feb 25

 

こんにちは皆様、お久しぶりです。去年の秋から冬はスケージュルを詰めすぎて、ペースが狂ってしまいましたが、今年はオレ・サステナブルなリズムで活動したいと思っています。ちょっと翻訳の仕事が多くてキーボード恐怖症になっていたのも、間が空いた理由の1つです……。

さて、オフシーズンにいろんなインストラクター、フライフィッシャーの方たちと会っていると、たまに「奥が深いと思うキャスト」の話になります。最近は各種スペイキャストと言われる方も多いですし、私もそれは深く同意、実感します。ロールキャストを挙げられるかたもいますし、これも同意(→普通のフォルスキャストと比べていろんな変更をしないといけないから)。もう1つよく話題に上るのが、ピックアップ&レイダウンですね。私も深く関わっている FFI=フライフィッシャーズ・インターナショナルのインストラクター試験で、最初に行って頂くキャストに指定されています。初心者に教えるキャストですが、経験の長い人でも完璧にできているケースは少ないと思います。

 

ピックアップ&レイダウン (PULDとも呼ばれます)は、その名が示しているように、水面に落ちたラインをバックキャストして、フォワードに打ち返して落とす、それだけ。だからごまかしが利かないんです。空中に何度かラインを往復させるフォルスキャストのスバラシサは、その間に向きを変えたりラインを伸ばしたり、ループの形を整えていったりできますが、PULDはできない。キャスターの技量を知るための物差しになるキャストですし、逆に言えばこれがきちんとできれば、フライキャスティングでもっとも大事なことの1つ「調整能力」が備わっている証明にもなります。

PULDで大事なこと。「水に落ちたラインの向きは、キャストに向いていない」という理解です。最後のフォワードキャストは、水面の上1メートルくらいを狙うでしょうから、その前に来るバックキャストは、フォワードの真反対に来ていなくてはいけない。その向きのバックキャストをキレイに決めるためには、どうすれば良いのか、っていうことです。手描きイラスト見てください。

 

IMG_6571

 

水に落ちたラインは、バックキャストがよい形になるよう、向きを変えてあげないといけません。幸いなことに、水は抵抗が大きく、ゆっくりロッドを立ててきてもあまりこちらに滑って来ませんから(氷とかフローリングの上は、ほんとうにキャストしにくい)、先端部の引っかかりを利用してラインの大部分を水から持ち上げ、バックキャストの延長線上に重なった時に、普通のフォルスキャストを始めるのです。ではムービーを見てみてください。去年、台湾で試験を行ったときに撮影した、芝でのPULDです。ロッドが11時位置に来るまでは、ほぼ等速でゆっくりとラインの形を直しながら水(芝)から持ち上げ、それから加速を始めているのが分かります。

 

 

 

ではまとめとして、簡単な目安を3つ挙げておきましょう。

ヒトツ……ピックアップのときに水面でジャバッという音がしたら、加速開始のタイミングが早すぎ。

フタツ……バックキャストのループが広すぎるようであれば、すこし手全体の押し引きを入れてみる。具体的には、腕をけっこう伸ばした状態からピックアップ動作をスタートする。

ミッツ……バックキャストの上側がどうしても直線にならない場合は、リストを開けるタイミングを遅らせてみる。

 

がんばってみてください! バッチリできると格好いいですよ!

 

東 知憲

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