CASTING TIP Feb 15

2022.02.17

bigeye

 

バントかスイングか

 

私たちインストラクターたちが頻繁に引用する「フライキャスティング5つの基本」というものがあり、おそらく異論を唱える余地がまったくないほどの大根本となっているのですが、その中に「フライロッドは滑らかに、適切に加速させる」というものがあります。この物言いのなかで、「滑らかに」と「加速させる」は、なかなか両立が難しいものです。加速を心がけるとガツンとティップが動いてしまったり、「滑らかさ」を意識するとこんどはスピードが足りなくなってしまったり。

 

この「滑らかな、適切な」加速を実現するためには、テコとしてのロッドの動きを理解しておくとプラスになります。フライキャスティングとは、ロッドの平行移動と回転運動を組み合わせてティップの軌跡と速度を管理することでもありますが、それらの特徴を見てみましょう。いまは便宜上、フライロッドは全然曲がらないと想定してみましょう。

 

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平行移動されるロッドは、テコとして活用されていません。グリップ上部で10センチ前に進んだら、その先端も10センチ進みます。1対1の比ですから、ゆっくりと精密に動かすことに向いています。野球で言えば、精密さが求められるバントのようなものでしょうか。

 

 

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ところが、回転運動を行うロッドはテコとして作用するようになります。グリップ上部10センチ前に進んだら、先端が100センチ進む、というようなこともあり得るわけです。野球のバッティングでいえば、ぐいんとスイングする動作ですね。つまり、わずかな時間や手元距離の間に、大きくティップを動かすことが可能。きわめて大きな加速ができますが、やりすぎの急加速に陥りがち。

 

 

Start

 

 

実際には、フライロッドはよく曲がるものがほとんどですので、上記ほど劇的な違いには結びつきませんし、いきなり回転を使い始めても、テクニックの微調整で滑らかな急加速ができる人もいます。しかし、キャストのどの段階で平行移動と回転運動を使うか、という意識は、上記の図を踏まえ、考えておく必要があると思います。そして、現代的なプログレッシブ・アクションを持つロッドを投げるキャスターは、だいたい平行運動を使ってゆるやかにティップを動かし始め、それから回転運動につなげてゆくという流れを使っているようです。シーズン前の、考えるヒントになれば……。

 

では、Tight Loops!

 

東 知憲

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