スイング&ドライ— 下山日記

2022.01.17

Shimoyama_Profile

 

 

ガイドサービスを受ける前にやっておきたい5つのこと

 

 私がこの仕事を始めた27年前に比べれば、日本国内のフィッシングガイドの地位は確立されて来たように思います。当初はソフトよりもハードに重きを置く価値観があり、海外では当たり前のサービスが、日本国内で通用するのかどうか不透明。しかし、近い将来には必ずフィッシングガイドという仕事が受け入れられ、生活できる収入を得られると信じてスタートしたのが思い出されます。私が何とかここまでたどり着けたのは、ひとえに良いお客様との出会いに恵まれたからです。

そこで今回は、お客様が楽しい時間を過ごしていただけるように、サービスを受ける側の皆様にやっておいて欲しいことについて書かせて頂きたいと思います。勿論、サービスをご提供する私たちもやっておくことが沢山ありますが、まずは皆様の視点から。

 

Guide and Client 

 

・ガイドとの打ち合わせ

当然のことながら、釣行前には事前打ち合わせが必要です。ここでは、自分の要望を確実に伝えることが大切。ドライフライ、ニンフ、ウエット等、どんな釣りをしたいのか。どんな規模の場所で釣りをしたいのか。できれば、客観的な自分の釣りレベルも伝えておいた方が良いでしょう。旅行会社を通してのツアーの場合は、担当者に要望を伝えます。ガイドはそれらの内容を考慮して、いくつかの候補を用意するはずです。良いガイドはこの打ち合わせを決して軽視しませんし、必要ならば回数を重ねてその日の釣りの内容を絞り込んでいきます。

 

・タックルの用意

場所や釣りのスタイルが決まれば、使うものの用意です。タックルは、普段使っているものでも再度確認して、故障や破損がないか確かめておいてください。フライは、ほとんどのガイドがお客様用を持参しますが、自分で巻いたもので釣りたい場合は、あらかじめじゅうぶん時間的余裕を見て、情報をきっちり収集しておかないとピンボケになりかねません。ウエア類は最重要です。現地の気候や気温を問い合わせ、オーバー過ぎる程度のウエアを用意しましよう。風雨から身を守る丈夫なウエアが必要です。魚を釣る前に自然環境に負けては、釣りになりません。少しでも快適に釣りに集中できるよう、質の高いウエアを用意した方が釣果も良くなるでしょう。

 

・釣り場の下調べ

釣り場の場所や雰囲気をイメージすることが大切です。行ったことのある場所であればイメージも湧き、どんな感じでどう魚を引き出すか想像できるでしょう。しかし初めての場所なら? 近年は、衛星マップやSNSの普及で、行くことになった場所を検索すれば、すぐに画像や情報が得られます。百聞は一見にしかずというのは事実で、現地へ行って感じることはとても大切ですが、ネット上の画像や情報も参考にはなるはずです。釣行に行く前のイメージ作り作業はとても大切で、現地へ行って、自分の持っていたイメージとピッタリであれば成功への近道を見つけたことになります。全く違ったということもあるでしょうが、その時は気持ちを早めに切り替えることも必要です。

 

・スキルアップ

フライフィッシングでもっとも重要な要素の一つがキャスティングです。いくら良い釣り場に行っても上手く投げられなければ、魚の目の前にフライを届けるチャンスも減ってしまいます。釣行までに時間があれば、できる限りのスキルアップをお願いします。あらかじめ釣り場のイメージが掴めたら、それにあったキャスティングスタイルが特定できるはずです。シングルハンドないしダブルハンドのタックルを使ったスペイキャスティングやオーバーヘッドキャスティングなど、釣り場に合ったキャスティングを練習しておくのが理想的です。

 

・健康管理

釣行前に健康を害しては、せっかくの計画も台無しになってしまいます。また海外遠征の場合、釣り場の近くに病院がないこともあります。危険を避ける行動を取り、衛生面に気を配って体力の維持を心がけましょう。

 

Above Osborne Spring

Bonnie Harrop photos

 

 以上、ガイドサービスを受ける前にやっておきたいことを簡単にまとめさせて頂きましたが、最後に言いづらい事柄も付け加えさせて頂きます。私たちガイドは雇われる側なので生意気なことは言えないのですが、楽しい良い時間を共有するためにはお互いの理解が必要です。国内外のガイドたちと話していると、こういうことは言われたくない、要求されたくないということが共通しているとわかります。「必ず」とか「絶対」という言葉、「何センチのが釣れますか」「何匹釣れますか」などというフレーズです。自然相手の中で、絶対は存在しません。何センチの魚でも同じ魚です。何匹釣れようが、思い出に残らなければ無に等しいと思います。すばらしいアウトドアの遊びとして、プロセスを楽しむ気持ちを忘れず釣りをすることが大切でしょう。

 

  私たちフィッシングガイドは、これまで真剣に蓄積してきた知識と経験を活用し、お客様に最良のサービスをご提供しようと心がけております。機会があれば、是非お会いしたいと思います。 去年も、思い通りに釣りがやりにくい1年でしたが、今年はもっと楽しいことがありますように! 

 

 

 

ドリーバーデン店主 下山巌

SIMMS & Scott Pro Staff   

 

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