刈田敏三のライズシアター(師走)

2021.12.01

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丸っこいので

 

初冬に足を突っ込んだような日の朝、北海道では1メートル近くも雪が積もったとニュースが伝えていた。まっ、それでも埼玉県では快晴・・・おや! 今日は風速が1mだと。それは好ましいネット予報。皆野町にある荒川本流ニジマスC&R区間へは、家から1時間そこそこで行ける。川に着いたらもう11時。穏やかに風もなく、スッとした空気の中にも気持ちの良い陽射しがあった。しかし、マズイことに流れまでも穏やかに静まりかえっているではないか。いったいどうなっているのか、ドリフターをチェックしてみた。「がが~ん」体長4㎜ばかりのミッジシャックがほんの少しだけ。流れの状態は・・・とんでもなくスロー。こりゃいかん。どうやら今この辺りでミッジはハッチしていない。ずっと下流へ平瀬の先まで行ってみることにした。

 

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*写真のマス目は1㎜ 

 

あちこち見て回ったけれども、ライズを見つけられない。そこで、区間内でもっとも水生昆虫が多そうな、広大な平瀬の下へ行ってみた。活性の上がったニジマスがいれば、もっともドリフターが多く流下して食べやすいレーンにやってくる。放流地点よりかなり下流になってしまうが・・・。

12時を過ぎると、ミッジのシャックなどが急増して流下、そしてついにメイフライがハッチ! 体長が4㎜のダン、ミジカオフタバコカゲロウだ(左上)。晩秋から初冬でもハッチするキャラだが、極小なのが惜しい。少し遅れてハッチしてきたのはブユ=ブラックフライ。早瀬系からのボトムハッチで、周年出るのだが特に晩秋から冬のスーパーハッチは珍しくない。しかし、水底から上がってくる極小イマージャーという厄介なキャラで、ライズの割にヒットを稼ぐのはそう楽ではない。

 

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ドリフターは時を追うごとに増えたものの、フライに反応するようになったのは14時ごろから。この時期、最高水温に達するタイミングである。ハッチできなかったスティルボーンを水面下にドリフトするフライで、ニジマスが釣れた。胃の中には、ブユに加えてミジカオのダンもあった。他はミッジのシャックが多く、フタモンコカゲロウやサイドコカゲロウなどのシャックも混じっている。消化がほとんど進んでいない捕食物全体の様子からは、午前中はほとんど食べず、昼過ぎになって一気にバクバクしたように見える。晩秋からの無風快晴の早朝は、どうしても水温の急低下が起こり、水生昆虫もニジマスも午前中は動きが鈍くなりがちなのを改めて実感した。

 

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下の写真は、ブユのスティルボーンを水面下にドリフトするパターン。アブドメンは顔料ダークブラウンマーカーで部分染めしてある。ハックルは二回転以内で仕上げ、水面に接する下面を水平に巻く。ハックルとボディとの距離を1㎜以上しっかりキープするのがポイント。ハックルの存在感をギリギリまで薄めながら、波立つ流心でも安定したドリフト性能を得られるパターンである。

 

 

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ブユスティルボーン

フック:VARIVAS 2200BL #24

スレッド:VEEVUS A05 16/0 

アブドメン:ヴェインファイバー・シナモン

ソラックス:ピーコックハール

ウイング:ホワイティング・ヒーバートハックル

ウィングポスト:ヴェインファイバー・パーシモン

 

 

 

水生昆虫研究家・フライクリエイター 刈田敏三

 

 

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