刈田敏三のライズシアター(神無月)

2021.10.01

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シャックドリフターを模すには        

 

9月も半ば。まだ夏の風景なのに、ヤマメはもう色づいていたね。寂しい気もするが、その一方でニジマスを釣るシーズンが来る……ワクワクだ。秋から初冬になってもコカゲロウのハッチは続くし、エラブタだってまだまだとはいえ、夏以降のハッチは盛り上がるとは言いにくい。それでも、ライズは発生する。

 

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この秋ヤマメは、シャックドリフター、つまり水生昆虫の脱皮殻にライズしていた。シャックドリフターというのは、一般的に成長に伴う脱皮によって発生する。つまり、川底から脱ぎ放たれて流下する。
しかし、川底をゴロゴロと流れるわけじゃない。水よりも微妙に比重が小さいシャックは、ゆっくりだけれど必ず浮上して水面直下、サブサーフェイスをドリフトする。だから、ハッチがなくても魚はライズし、水面に波紋を見せる。まあ、わりと難しいタイプのライズシーンになるけどね。
シャックというのは、ちょっとユウレイのような透明感があるドリフター。フライのマッチングなどかなり難しそう、思うかもしれない。でもシャックの写真を観察すれば、ピンとくるだろう。

 

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昆虫というのは、体節=セグメントがあるのが最大の特徴。だから、ヤマメだってトラウトだって、エサか木の枝かの判断にはセグメントのイメージが体に染みついているはず。
シャックドリフターのマッチングフライには、セグメントのイメージを持たせるのが効果的だと思っている。

 

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今回紹介するフライは、淡色のハックルストークでセグメントをビシりと決め、水面直下をナチュラルドリフトできるパターン。ヘンハックルのファイバーを全てむしり取ったストークを使う。アブドメンのベースは、シルクフロス。これはつまり、シルクミシン糸のヨリを戻しながら巻いてボディベースにする。シルクは、顔料マーカーで染めやすく妖しいキラメキを秘めているから好ましい。

 

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ストークでセグメントを巻いたら、UVレジンでコーティング。最後には、カリタ式パラシュート仕様でフライを仕上げる。

 

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これは、ストレートなロングハックルを3回だけ巻くことによって、ソフト着水と厚巻パラシュートハックル独特のタンポポ現象を避け、ハックルはあってもステルスにしてしまおうという作戦。水中写真を見てもらえばわかるように、このフライなら、シャックパターンを簡単にサブサーフェイスドリフトできてしまう……おっと、フロータントは、必ずハックル限定。

 

 

水生昆虫研究家・フライクリエイター 刈田敏三

 

 

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