CASTING TIP Aug 01

2021.08.01

bigeye

 

シングル&ダブル、最後に「引く」ための準備

  

フライキャスティングにおいて絶対的に大事な部分、それは最後のフォワードストロークです。その運動によってフライは前に運ばれ、プレゼンテーション・キャストとなって魚の目の前に落ちるわけですから。そこに至るあらゆる動作や調整は、完璧な一振りのための準備作業だという理解を持っておいてください。

 

さて、まずシングルハンド・キャストの話をしましょう。できるだけ乱れを作らず、効率の良い幅で、狙ったところに落ちるようなループのカタチを作るためには、ラインのテンション管理がとても大事です。ホールをどれくらい活用するかは、釣り場や状況によって大きく変わってきますが、避けたいのは、大事なフォワードキャストでの「テンション抜け」です。このテンション抜けをいちばん簡単に予防できるのは、ラインを持つ手を、ポーズの間に必ずリールのごく近くまで戻しておくこと。

 

写真を見てください。陸上での撮影ですが、バックキャストが終わってラインが伸びきるのを待っている瞬間。ホールを終えたラインハンドは、ロッドを持つ手の真下まで戻してあります。この状態ができていると、フォワードに入った時にフライラインのテンションが抜ける可能性が大幅に下がり、ホールを加える場合にも最高のポジションです。ラインを持つ手がこれよりもずっと前の位置に来ると、フォワードキャストの開始時にテンションが抜け、ラインのベリーは下がりながら、かつテイリング気味になるという辛い状況を招いてしまいます。

 

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次にツーハンド。下側の手は、シングルハンド・キャスティングでいうところのホール的な役割を担わせることができ、ぐいとロッドをねじ曲げることが可能なのですが、意識して練習しないと、なかなか使えるようになりません。最後のフォワードストロークでぐいっとティップを加速してやるには、上手で押しながら下手を引きつけることになるのですが、そのためには、バックのDループを作るときに下手を前に押し出しておかないといけません。押し出しが足りないと、後からの引きつけもできないわけです。

 

スペイキャスティングを教えていて、かなりの高率で見かけるエラーとして、「ソフトすぎるDループ」現象があります。バックストロークでのロッドティップのスピードが足りず、Dループにあまりテンションがないわけですが、バックストロークでの下手の軽い押し出しがうまくなると、1)Dループにたっぷりとエネルギーを与え、さらに 2)フォワードストロークでの引きつけの事前準備とすることができます。

 

私の師匠の1人であるマーク・ヒューバーさんの写真を見てください。最後のフォワードストロークの前の、この腕の位置関係を「キーポジション」などと言いますが、比較的体の近くの、きゅうくつでない位置に置かれた上手と、フォワードストロークの引きつけに備えて軽く鋭く押し出された下手から構成されます。スカンジナビアン、スカジット、そしてロングベリーのフルラインなどの別を問わず、この軽い下手の蹴り出しを練習してもらうことで、とつぜんキャストがうまく行くようになった生徒さんを多く見てきました。

 

Mark_screen

 

シングルハンドとツーハンド。キャスティングの方法は違いますが、それぞれ、スムーズなティップ軌跡に貢献し、ラインスピードをぐんと加速させるためのちょっとした注意事項があるというお話でした。ぜひ練習してみてください!

 

 

 

東 知憲

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