刈田敏三のライズシアター(卯月)

2021.04.03

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春の夕方の出来事。パシッ・・・パパパシッと突然やってくる小さいスプラッシュ、小石をつかんで投げ込んだかのよう。あれは何なんだろう・・・などとボーッとしていれば、スーパーチャンスはたちまち消え去る。

 

いよいよ、フライフィッシングのシーズンは佳境にさしかかってきたね。オオクマのハッチに始まり、後を追って続々とマダラハッチが来る。だから、この時期にはお問い合わせメールが増える。ある方は、うれしいことにライズに遭遇した際ドリフターチェックをやってみたとのこと。オオクママダラカゲロウと思われるスピナーが入ったがメスばかりなので、オスがゾロッと流下するタイミングはいつでしょうかという質問が来た。そうかぁ、この方もドリフターチェック体験によって探求心がメラメラッと来たようす。いわれてみればメスのスピナーばかりが流下するのは不思議なのかも。春の夕方、川岸の枝などに直径5㎜位の球をつけたマダラカゲロウのスピナーが止まっているのを見たことがありませんか。これを見つけられれば、もうほどなくスペントへの集中ライズが始まる前兆。このアブドメン先に付いた球は、「エッグマス」「エッグボール」とも呼ばれており、微小な卵が数千個含まれるといわれる卵ダンゴ(すみません、まだ実際にこの卵を数えたことはないのです)。

 

このエッグボールを作り終えたメスのスピナーは、上流の産卵適地に向かって飛び、空中で集合して一斉に落下して着水放卵を行う。同種のメスが短時間のうちに何百何千とドリフターになるから、ハッチとは比べようもないほどすさまじい連続多重のライズシーンが発生する。これこそ、フライフィッシングの極致体験。

 

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このエッグボールを作り終えたメスのスピナーは、上流の産卵適地に向かって飛び、空中で集合して一斉に落下して着水放卵を行う。だから、同種のメスが短時間のうちに何百何千とドリフターになるから、ハッチとは比べようもないほどすさまじい連続多重のライズシーンが発生する。これこそ、フライフィッシングの極致体験。

 

マダラカゲロウの産卵は、平瀬の流心で行われるのが決まりごと。水中で分散させる卵を効率よくバラまくためだと思われる。大量のドリフターが来たことを察知したヤマメなどは、このご馳走に突っ走って来て飽食するので、スペントだけでなくエッグボールもストマックの中からしばしば見つけられる。メスのスピナーが産卵しているときオスはどうしているかというと、情けないことに交尾の段階でパワーを消耗してしまい、フラフラとあてもなくさまよううちに鳥やコウモリなどに食われてしまう。オスの流下がないのはそういったワケ。もう少し頑張って、メスに同行して共に流れへ飛び込んでくれれば、ライズは一層増えるし、エッグボールがヤマメに食われるのをずいぶんと避けられるかも知れないのに・・・頑張れ!

 

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さて、日本でマダラのスペントは主に夕方に流下するのだが、昼から午後も珍しくない。ちなみにアメリカのロッキー辺りでは、流下は午前中と、まるで違うのが不思議。釣りに関しては、どれほどのライズがあっても、フライがマッチしないと迷宮モードになってしまう。フライはこんなデザインで、各種のマダラには、フックサイズだけでマッチが可能。大型種のマダラなら、#12~14。アカマダラなど小型種なら#18〜20のフックで。スペントのアブドメンは、空っぽなので縮んで体長だけが短い場合もあり。

 

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フライ:ラスティスペント(マダラカゲロウ・スペントスピナーパターン)

フック・・・TMC206BL #12〜20
下巻き・・・絹ミシン糸50番(クリーム系など)
スレッド・・・ダンビル70 ベイジュ
セグメント・・・カーフテイルファイバー
マーカー・・・水性顔料 Color master SEPIA OLIVE BROWN
インジケーター・・・ヴェインファイバー・サーモン
ソラックス・・・ヘアーズイア(マーカーで染める)
ウイング・・・ヴェインファイバー・ライトケイヒル
アブドメン・・・マーカーで染めてからUVレジンでコーティング

 

 

 

水生昆虫研究家・フライクリエイター 刈田敏三

 

 

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