刈田敏三のライズシアター(弥生)

2021.03.01

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荒川岸に、まだヒザにも届かぬ高さの黄色い花が咲き始めた。渓流域に菜の花が咲くと、そろそろシロハラコカゲロウのハッチシーズンに入る知らせ……見つめる水面を流れてきたのは、アパタニア。北半球の渓流に広~く生息している、ごく普通のカディスだ。和名でいうとヒラタコエグリトビケラ。

 

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ハッチは早春からで、カディスとしては、もっとも早くハッチするのがこのアパタ。シロハラコカゲロウのハッチに混じってイマージャーやらトラップト・アダルトが流下し、ライズに絡む……油断ならない存在。ともあれ、早春のハッチは、ちょうど昼頃がピーク。朝から頑張りすぎてしまい、うっかり昼食に川を離れるとせっかくのチャンスを失ってしまうことになる。昼めし時こそがハッチタイムなのだ。

 

アパタは、水面羽化で体長が8㎜。なんと使いやすいフライサイズだろうか。しかし1つ問題がある。イマージャーやアダルトの体色は、ベース的にオレンジ系褐色なのだが、背面に特徴的な濃褐色のラインがあって、フライタイイング的にちょっと悩ましい。「マッチング・ザ・ドリフター」にこだわるカリタ式では、やっぱりマーカーを使って背面を部分染めすることになる。アブドメンは昆虫らしさのテクスチャーを尊重して、シルクミシン糸のクリーム系カラーをヨリを戻しながら巻き、グレイのモノフィラでセグメントを作る。それからオレンジ系褐色マーカーで全体を下塗りし、背面に濃褐色系マーカーでラインを描く。アブドメンの仕上げは、UVレジンのコーティングだ(ネイル用トップコートなどでも可)。

 

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フック・・・TMC206BL #14~#16

スレッド・・・ダンビル 6/0 ベイジュ

アブドメン・・・絹ミシン糸 50番 クリーム系淡色

セグメント・・・フジックス モノカラー(ナイロンモノフィラメント)#60 スモーク

ソラックス・・・ヘアーズイア 淡色

ウイング・・・ヴェインファイバー シナモン 

マーカーA(ボディ全体用)・・・カラーマスター MUSTARD 

マーカーB(ソラックス・アブドメン背面用)・・・カラーマスター SEPIA & DARK BROWN

 

 

水生昆虫研究家・フライクリエイター 刈田敏三

 

 

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