斑点曼荼羅倶楽部 Presents — Quill Wing de Leon vol. 4

2020.05.13

コック・デ・レオンのルースター・クイルを活用する 基礎編 (2)

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私家版シルバーマーチブラウン・フルチューニング仕様、ウイングにこだわるの巻 

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まずは参考資料のご紹介

 

 野暮丸出しですけれど……ここでいよいよクイルウイングを巻き止める作業。それであの……なんだか安易な宣伝みたいで、すごく野暮でカッコ悪いのですが、赤面しきりで開き直って言います……クイルウイングの巻き止め方は、コレ見て参考にしていただけますと、もう微に入り細に入り、これでもかってくらい、上から横から下から左右のアングルから、おまけにクイルを挟んでスレッドを巻く指のなかまで、こってり解説させていただいております。やはり、クイルウイング巻き止めのノウハウやコツは、感覚に頼る部分が多いだけに、言葉よりも映像のほうがはるかに伝わります。ここでは、このDVDでは取り上げなかったウイング以外のコツや、この撮影当時にはまだ思い付いていなかった、そのほかの最新情報をご紹介させてくださいネ。

 

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ウイングを巻き留めたあとの処理

 

 さて、ここからが今回の見どころ。クイルウイングを留め、余りをカットしてヘッドを巻く作業。ウェットフライを巻きはじめると、誰もがかならず痛感する「ウエットフライあるある経験」。巻きはじめた当初、いちばんの壁のようにおもわれたクイルウイングの巻き留め作業は、挑戦してみれば思いのほか簡単にクリア。ウイングを見映え良くキレイに付けられてヤレ嬉しやと、クイルの余りのファイバーを切り、ヘッドを巻いて完成させてみようとすると……余分をカットした瞬間、ウイングがグシャッとひしゃげる。

 ウイングを巻き止め、ヘッドを作ろうとスレッドを巻いたら、ウイングがどんどん潰れていく。カッコ良く小さくまとめたいのに、ウイングをしっかり立てようとすると、どうしても不細工なでっかいヘッドになってしまう。そんなこんなの難関をどうにか乗り越えて、ようやくヘッドセメントを塗布しようとしたら、さっきまで真っ直ぐ付いていたウイングが、知らないうちに左右どちらかに曲がっている……などなど。とにかく、それまでの作業を台無しにしてしまうトラブルの宝庫、魔の作業工程。コレなんとかしようじゃないですか。しかも簡単確実に。

 

 ウイングをしっかり巻き止めたら、クイルのファイバーの余りをすぐカットしないで、この余りの根元付近の両側に、ボドキンで瞬間接着剤をすこしだけ塗布。すると、瞬間接着剤がウイングの余りのファイバー内部に浸透して、ちょうどウイングを巻き止めたスレッドの下部分までを硬化させることができる。ここで大切な注意。ウイングに塗布するのでは断じてなく、余りのほうにほんの少量だけ染み込ませること。ウイングに瞬間接着剤が染み込むと、フライが水中で回転してしまうだけでなく、すぐにファイバーが割れてしまい、復旧させることができなくなります。

 

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フライを上から見てみる

 

 瞬間接着剤が完全に硬化するまでのあいだ、かならずフライを上から見ておくのも大切。このように、ウイングがフックシャンクの真上にまっすぐ巻き止められていることが理想でもあり基本中の基本。ビシッとまっすぐ巻き止めたウイングの舵取りバランス効果で、水中で不自然な揺れや回転を起こすことなく、揺るがない姿勢を保ちながら自然にスムーズに流れるウエットフライ。これこそ、スイング中のドラッグがかかった状態でも良好なフッキングをもたらせてくれるおおきな要因ではなかろうか。また、レオンのサドルハックルで巻いたスロートハックルのファイバーがフライの左右両側にもひろがって、フックの下側半分を扇状に覆うように巻き止められているところにも、ぜひ注目を。

 正しい位置に正確に巻き止めたクイルウイングのウエットフライに、このような体裁でハックリングしたロングファイバーなレオンのハックル。この組み合わせのフライが、ひとたび水流のなかでスイングすると……そんなスロートハックルのファイバーのうごきというか揺れというか震え方、もうたまらんデ……。流れのなかでフライ本体はビターッと不動のバランス姿勢でスイング、その両側でマダラ模様のサドルハックルのファイバーが水流の緩急に敏感に反応しながら常にブルブルユラユラと揺れ震えている。ゾクゾクッとくるほど魅惑的なうごき。なんていうかもう、マスに喰われるために存在しているような生き物に変身しておりますゾ。

 

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ウイングの余りをカットする

 

 コック・デ・レオンのサドルハックルの振動の誘惑によろめくあまり、話がだいぶ逸れてしまったが、ヘッド処理の工程に軌道修正。瞬間接着剤をクイルの余りの根元部分に塗布し、硬化がすすんだ時点で、写真のようにカミソリをダウンアイのフックアイにあてがう。そして、その角度のまま上方向に切るというよりも、カミソリを左右どちらかに滑らせるようにスーッとうごかす。すると、いとも簡単に余りのファイバーを根元ギリギリからバッサリ切り落とすことができる。この方法だと、カットの振動や余計なうごきで意図せずウイングがズレたりすることもまったくない。ウイングもろとも切ってしまいそうで、心情的にウイングの方向からフライ前方に向けての逆方向からカットしたくなるけれど、慣れてしまえばダウンアイのフックだとコチラのほうが失敗がなく、かつ簡単。

 

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カットし終わった状態

 

 余りのファイバーの半端な切り残しや微細な突起などいっさいない、スムーズな切り口。しかも肝心なのは、カットした余りのクイルに瞬間接着剤を染み込ませていることで、スレッドの表面とスレッドで巻き止めた部分のクイルにも余りのファイバーを伝って適量の瞬間接着剤が浸透して硬化している。それでいてウイングへの悪影響はまったくない。これくらい小さくまとめた極小のヘッドにも関わらず、ウイングが抜けたり曲がったりすることもなく、耐久性も申し分ない。

 ウエットフライを極小のヘッドに仕上げると、そのぶん抵抗が軽減されてフライの着水と同時に速やかに水面下にフライを沈めるために有利、という機能面もあるけれど、なによりも美しくカッコ良い。

 

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そして完成

 

 白のスレッドを黒い油性マーカーで着色してヘッドを巻き、その後ヘッドセメントを塗布して完成。

 

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オマケ版その1 ヴァリエイション

 

 極細シルバー・オーバルティンセルとミラージュ・フラッシャブーとともに、赤いフラッシャブーも捩じり込んでボディを巻いた、ギラリと輝くブラッディ・ヴァージョン。血塗られたマーチブラウン。

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オマケ版その2 リビング応用編

 

 トラディショナルなスタンダード・パターンのリビングに、この「捩じりティンセル・ボディ」を転用するのもたいへんおススメ。意外にも、どのようなティンセル・ボディのスタンダード・パターンにつかっても古典的なフライのイメージを損なうことなく、ほんのりモダンな雰囲気を醸し出しつつ、なかなかイイ感じに巻けますよ。アレコレお試しあれ。

 

 

 

備前 貢

B’s Fly Works

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