変容した世界、変わらない流れ

2020.04.03

A Trout Hunter[5]

 

 

 by レネ・ハロップ

 

魔術的な魅力を備えるヘンリーズフォークを愛する人たちは、日本にも数多くいらっしゃいますから、その方々に向けて現況報告をしてみましょう。皆様にとって安全な旅が現実化し、再び世界へと旅立つことができる日々を期待して。

 

雪はまだ融け残り、凍えそうな日もまだ時折やって来ますが、ヘンリーズフォークの春を待ちわびる長い時期はもう終わりです。それが分かるのは暦の上ではなく、川にある目覚めのしるし。新しい季節がどのようなものになるか、フライフィッシャーに予感させてくれる道標のようなものです。

日が長くなるに連れて、ローワー・ヘンリーズフォークへのアクセスが開くようになり、アングラーの数も増してきます。深く積もっていたボートローンチの雪が消え去り、また冬が来るまでの時期、休むことを知らないドリフトボートが出てゆきます。

 

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より標高の高い上流部、たとえばラストチャンス・ランなどのポイントは、あと1か月ほどはウエーディングをするアングラーしか入れないでしょう。しかし、膝上まで残る雪をものともしない人は、時としてすばらしい褒美を手にします。状況をよく知っているローカルの報告によると、気温と水温が上がる日、ミッジと春のベイティスを求め、ありとあらゆるサイズのマスが膨大な数の水紋を作っているといいます。

この地のレインボートラウトは春に産卵を行うのですが、その数が多かったことも今年のよい報せです。3月中旬に始まり、4月いっぱいまで続く命の再生儀式は、川の健康を物語り、心を高揚させてくれます。ここ数年ローワー・ヘンリーズフォークで産卵行動を見せるレインボーの数は盛り返す傾向にあります。このセクションでは、ブラウンとレインボーの数が健康的に調和していることが望ましいと、多くの人が考えています。

 

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今年の冬の大事な時期も、ヘンリーズフォークの流量は500 cfs を割り込むことはありませんでした。賢明な流量管理により、この素晴らしい川においてマスの幼魚が守られ、水生昆虫のライフサイクルにも好影響が出てくるはずです。

晩冬の豪雪と冷涼な気温によって山には雪が大量に残っているので、農場への大量の水供給が求められる夏期でも、川が干上がることはなさそうです。アイランドパーク貯水池が定期的に行う排砂作業は、下流環境に悪影響を与えますが、できればこれにも解決策を見つけたいもの。

 

A Blizzard Of Baetisのコピー

 

春のこの段階ですばらしい釣りができているので、盛期にはもっと期待が持てるでしょう。つねに聖域であったヘンリーズフォークですが、世界が傷を感じ始めている今こそ、そのパワーが実感されます。誰もが試練と苦難の中にある今、きっと普通の生活が戻ってくると信じましょう。皆さんは遠く離れた場所に住んでいらっしゃいますが、心の中を流れるヘンリーズフォークは希望を灯し、安らぎの場所となってくれることでしょう。この川が提供してくれる癒やしを、ともに味わえる日が近いことを祈ります。

 

ご健康にお過ごしください。川でお会いしたいものです。

 

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